27人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「私の休日」は、私の心そのもののような晴れ渡った暖かい日になった。
休日が決まったその日から様々なプランを立てたけど、屋内で過ごすのは勿体無いくらい素晴らしい天候だ。
嬉しくて仕方がない。
朝食を作って、いそいそと支度する。
おしゃれも考えたけれど、動きやすいようにパンツスタイルにした。
いつも適当に済ませている化粧もしっかりめに。
娘の必需品が一杯詰まったトートバッグは今日は用はない。
「行ってきます。パパ、舞をよろしくね」
お気に入りのスニーカーに足を突っ込んだ。
「行ってらっしゃい。気を付けろよ」
パジャマ姿で娘を抱っこした夫が玄関先まで見送りに来た。
途端に娘の顔が歪む。
「ままどこいくの?まいちゃんもいく!!」
「ごめんね、今日は舞ちゃん連れていけないんだ。パパと遊んでね。お土産買ってくるからね」
後ろめたさが心に生まれた。
でもごめんね、ちょっとだけ、ママをお休みさせて。
「まま、いっちゃダメ、まいちゃんもいくぅ!!」
「いいから行け、大丈夫だから」
夫に促され、懸命に小さな手を伸ばす娘への後ろめたさを振り切るように、私は外へ飛び出した。
最初のコメントを投稿しよう!