9人が本棚に入れています
本棚に追加
屋敷に入ったらメイド服を着た女性が挨拶をしてきた。
「あら、皆さんおかえりなさい」
「晴鬼か。ただいま」
「晴姉ただいま!」
「あらあら、楡鬼ちゃんおかえり」
「晴さん、今回はメイド服ですか」
「似合ってるでしょ?なんなら瞬鬼ちゃんも燕尾服着てみる?」
「全力で遠慮させていただきます」
「あら残念」
『晴鬼』は穏やかだが不思議な雰囲気を纏った仮装が好きなお姉さんだ。
今回はメイド服らしい。ちなみに前回は巫女服だった。
俺と瞬鬼が頭の上がらない数少ない人物だ。
「晴鬼、他の奴らは?」
「いつも通り自由にやってますよ」
屋敷内に若い男性の声が響き渡る。
『皆さーん!夕御飯の準備が出来ました!食堂に集まって下さーい!』
「丁度飯の準備が出来たみたいだな」
「詩鬼のご飯!?」
放送が鳴り止むと同時に哭鬼が食堂に向かって駆け出した。
「あらあら、哭鬼ちゃんそんなに走ったら転けるわよ~?」
晴鬼が声をかけるも耳に入ってないようだ。
そういえば俺も腹が減ってきた。
腹の虫が詩鬼の飯を求めているかのように空腹を訴えている。
「さて、詩鬼の飯が冷める前に俺達も食堂に行くか」
最初のコメントを投稿しよう!