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「おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし…
ですけどね」
「え?」
三日月から私に視線を戻した
月島さんは柔らかな笑みを
見せながらもどこか
悲しそうに言った。
「平家物語ですよ。
おごり高ぶる者の天下は
長続きしないもので、
ただ春の夜の夢のように
はかないもの…って事です。
このプロジェクトが失敗したら
僕はCEOから降ろされるでしょう。
所詮親父から受け継いだ会社で
重役連中からしてみたら
傲慢な若僧としか
思われていませんからね」
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