失望

8/14
前へ
/33ページ
次へ
頬に触れるまであと1cm。 その位置で止められた手からは 触れていないにも関わらず 微かに温もりを感じて 胸が苦しくなった。 どうする事も出来ずに お互いがゆらりゆらりと 瞳を揺らしながら見つめ合う。 「…僕は… 谷原さんの全てを知りたい。 そして谷原さんにも 僕の全てを知って欲しい。 どんなあなたでも受け止めます。 だから…」 その時、少し離れたその場所から 私と月島さんの姿に気付いた 澤木さんの声が響く。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1094人が本棚に入れています
本棚に追加