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家に戻ってシャワーを浴びて
いつもと同じリズムで
出勤の準備を始めていると
私の携帯が鳴り出した。
液晶画面には…
『月島紫門』
ひとつため息を吐き出して
その着信ボタンに指を滑らせた。
『谷原さん、おはようございます』
「おはようございます。
月島さんどうかされましたか?」
『うん、色々考えたんですが…
谷原さんが嫌でなければ
今日から出勤も一緒に
どうかなと思いまして』
電話の向こうの月島さんは
少し照れ臭そうにそう言った。
本当に誠実で真っ直ぐな人だと思う。
こんなに優しい人に…
私もこの事を隠しているのは
いけない事だと感じた。
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