長い夜

6/18
835人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
こんな風に手を繋いだのも 本当に久しぶりで まだ治まり切らない熱が 頬まで染めて行く。 「恥ずかしい話だけどね… 君と唇を重ねていた時 眠っていた僕の感覚が 呼び起されて行くような… そんな気がした。 だけどそれに目覚めてしまう事が 少しだけ怖くなったんだ。 もう何年もこの生き方を して来たから… この年になって目覚めてしまったら 僕は君を片時も離したくないと 思ってしまいそうで」 照れ臭そうに話す彼の姿に また胸がキュンとする。 自分の思いを包み隠さず 打ち明けてくれる彼が 無性に愛しく感じて… 絡めた指に少しだけ力を込めた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!