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こんな風に手を繋いだのも
本当に久しぶりで
まだ治まり切らない熱が
頬まで染めて行く。
「恥ずかしい話だけどね…
君と唇を重ねていた時
眠っていた僕の感覚が
呼び起されて行くような…
そんな気がした。
だけどそれに目覚めてしまう事が
少しだけ怖くなったんだ。
もう何年もこの生き方を
して来たから…
この年になって目覚めてしまったら
僕は君を片時も離したくないと
思ってしまいそうで」
照れ臭そうに話す彼の姿に
また胸がキュンとする。
自分の思いを包み隠さず
打ち明けてくれる彼が
無性に愛しく感じて…
絡めた指に少しだけ力を込めた。
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