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それから暫くして、少女の階下に住む詩人は言った。
「彼女は本当に星になってしまった」
27番地の街灯の下に腰掛け干からびたバケットの破片を齧っていた。
「君は彼女が好きだったのかい?」
街灯にも聞こえていたが、口も思考もある筈がない。詩人は虚空に向かってそう言っただけなので、街灯に言ったのか、飛び交う鳩に言ったのか、何の気なしに呟いただけだったのかは分からなかった。
ただ、街灯の夕暮れ色が暖かかったのに理由があったとすれば、それは、限りなく恋に近い何かだ。
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