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27番地の街灯からは、窓辺に腰掛ける少女は日毎雰囲気を変えているように見えた。
或る時は、白いワンピース。明くる日は花飾り付きのカチューシャを付け、次の日は襟巻き付きのコート。月明かりの乏しい夜はラメ入りの生地のイブニングドレスを着ていた。
まるで、恋人に会いに行くようだった。
夜毎令嬢のようにも娼婦のようにも妖精のようにも姿を変える少女だったが、決まって朝になると、幽霊のように立ち上がり、音もなく服を脱ぎ捨てていた。
涙を落とす様によく似ていた。
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