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コロピオ通のある地域の夜は寒々しい。
少女はいつものように窓辺に腰掛けいてた。
27番地の街灯からは、いつもの様子とは違って見えた。
背中の広く空いたワンピースを着た後ろ姿は青白い炎を薄くまとっているようだった。
白い背中が、闇に鮮やかに浮き出ている。
悪夢のようなデジャヴを覚えた。
朝になると街灯の周りの空気は結露し、硝子は白く曇っていた。自動車が通り、振動で街灯はカチカチ震えた。硝子に張り付いた冷たい雫が集まって、ぽたりぽたりと地面に落ちた。
27番地の街灯からは、あの夜から少女の姿を見ることができなくなった。
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