溺れる躰

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だけど… どこかでそれが怖く感じていた。 彼の躰に溺れて行きそうで。 深い湖の底に沈んで行きそうで。 温もりを分け合うものだったはずが… またあの快楽に溺れる。 堪えられない甘い吐息を 漏らしながら、 繋がった部分から与えられる 熱に躰が狂い出した。 彼はやっぱりズルい。 それは桐生よりもずっとズルくて 壊れそうなほどに惑わされて行く。 心だけじゃなく躰までが たった一夜で捕らわれた私は… 澤木さんが言った通りで… 彼の獲物だったのかもしれない。
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