第1楽章~黒の教団~

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道中、たまにアクマと遭遇して戦いながらも、数日後無事に目的地に到着した。 異常に高ーい所に黒色の建物が見える。 「……え。これもしかして登るの?」 「それしかなさそうですね」 「マジ…?」 いやいや、登れませんてこんなん。 「大丈夫ですよ。ミュアは僕の背中に負ぶさって、しっかり掴まってて下さいね」 というわけで、現在アレンの背中にしがみついて絶壁をよじ登っております。 ちなみに下を見るとクラクラするから絶対見ないようにしてる。 「はぁ、はぁ……」 アレンから荒い息が聞こえてきた。 「な、なんでこんなトコにあんなもん建てたんだ…」 「アレン、大丈夫? やっぱり私重いよね…」 申し訳なさそうに言えば、アレンはすぐにフォローを入れてきた。 「そんなことありませんよ! 僕は大丈夫です。鍛えてますから!」 そうこうしている内に、ようやっと崖を登りきった。 アレンは私を背中から下ろしながら、荒い呼吸を整える。 「ご、ごめんね。 大変だったでしょ?」 「へ、平気平気。 それより、やっと着きましたね」 アレンの視線の先をたどって、建造物を見上げた。 「ここが…」 「エクソシスト総本部…黒の教団」 「「………」」 途端に無言になる2人。 ティムキャンピーとドルチェの羽音だけがその場に響く。 だって…ねぇ? ゴゴゴゴ…という不気味な効果音が聞こえてきそうな、独特の雰囲気を纏っているそれは、はっきり言ってこ・わ・い。 「話には聞いてたけど、なんて言うか雰囲気あるな…」 「……何か、幽霊出てきそう」 「やめて下さいよ、そういうこと言うの」 「だ、だって…」 露骨に怖がる私にアレンは、「とにかく、行ってみましょう」とトランクを持ち直した。 ☆ 入り口らしい門の前まで来てみたが、人っ子1人いない。 「どうすればいいんだろ?」 首を傾げていたら、そばを飛んでいたコウモリ型のゴーレムに気付いたアレンが声をかける。 「すいませーん。 クロス・マリアン神父の紹介で来たアレン・ウォーカーと」 「ミュア・アヴァンシアです…」 アレンの後ろに縮こまりながら控えめに名乗っておく。 「教団の幹部の方に謁見したいのですが」 スラスラと流れるように話すアレンは、年上の私よりも手慣れてる感がある。
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