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「じゃ、アレンくんとミュアちゃんは特別に『デュエット制度』にでもしようかな♪」
「「…………はい?」」
ワンテンポ遅れてアレンと私はコムイさんの発案に反応する。
「え? 何か不都合でもあるの?」
「いえ、ないです…けど」
口ごもるアレンに代わってコムイさんに疑問を投げかけた。
「なんですか? そのデュエット制度って」
コムイさんの眼鏡がキラリと光る。
「よくぞ訊いてくれたね! デュエット制度…それはこの預言を聞いて、僕がたった今考えたアレンくんとミュアちゃん『2人組任務制度』だよ!」
「「2人組任務制度?」」
首を傾げる私たち2人にコムイさんは、ガラガラ…。
目の前にホワイトボードを引っ張ってきた。
どっから持ってきたんだそのボード…。
「アレンくんの預言にも『月』が出てきたよね。 ミュアちゃんの預言に出てきた月はアレンくんを差すと推測できる。ならば、2人が揃えば…」
キュキュッとコムイさんはホワイトボードに黒いペンを走らせ、アレンと私のデフォルメされたイラストを描く。
コムイさんが描いたミニアレンは可愛かったが、何せそのイラストがいただけない。
アレンと私が手を繋いでおり、2人の周りを赤いペンで、ぐるーっと大きなハートで囲んでいるからだ。
「「コムイさんッ!!」」
私とアレンは頬をちょっと赤くしてコムイさんに消すように言う。
「え~…せっかくの力作なのに」
唇を不満げに尖らせたコムイさん。
「ま、僕の推測はこうだ。アレンくんがいればミュアちゃんの実力が最大限に引き出されるんじゃないかって」
「だから……『デュエット』を組めと?」
半ば諦めた風に確認すると、コムイさんは親指を立ててサムズアップした。
はぁ、どうやら彼の中では完全に決定事項らしい。
「……ミュア」
苦笑い気味なアレンは私の顔をチラ、と見てきた。
「……仕方ない、みたいね」
「ですね」
以心伝心。
思っていた事は同じだったようだ。
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