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「ま、そんなところだ。以上で長い説明はおわり」
コムイさんは右手を差し出してウインク。
「一緒に世界のためにがんばりましょう。一銭にもなんないけどね」
「「はい!」」
ギュ。
コムイさんと強く握手を交わし、ようやっと入団した気分になった。
「ようこそ黒の教団へ」
コムイさんによると、なんとヘブラスカもエクソシストらしい。
これには私もアレンも驚いた。
ヘブラスカは例のキューブの適合者で、教団創設時からずーっとここにいるんだって。
「アレン、ミュア……お前たちに神の加護があらんことを…」
☆
その後、リナリーに個人部屋を案内されてアレンとは隣同士になった。
多分、コムイさんの計らいだろう。
部屋の前でアレンと別れた後、リナリーから団服を手渡された。
「はいこれ。ミュアの団服よ」
「わぁー、ありがとうリナリー!」
早速自分の体に当ててみる。
「…あ、これリナリーのとちょっとデザイン違う?」
私の団服は襟元にリボンがあり、ふっくらとしたパフスリーブになっていて、愛らしさを演出している。
さらに、団服とセットらしいリボン付きベレー帽もキュートだ。
「ええ、ミュアに似合うデザインにしてもらったの。入団おめでとう。これから一緒に頑張りましょうね」
リナリーの笑顔にこっちもみるみる表情が明るくなる。
「うん! よろしくね!」
──前略、お父さんお母さん。
私、なんとかここでやっていこうと思います!
ミュア・アヴァンシア。16歳。
エクソシストとしての日々はまだ始まったばかり──。
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