第3楽章~これが私のイノセンス~

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教団のお風呂はめっちゃデカい大浴場だったことはさておき。 シャワーを浴びた私は睡魔と格闘していた。 半分寝ぼけたまま団服を着ると同時にばったりベッドに倒れ込む。 ふかふかのベッドは安らかに私を夢の世界へと誘った……。 ☆ …………。 耳許を通り過ぎていく風が心地いい。 瞼を開けると、眼前には地平線まで広がっている麦畑。 『………』 どこだ…ここ。 麦畑の中央にポツンとそびえ立つ大きな洋館。 洋館のそばに曲線の木が植えられており、その木の下に私は立っていた。 なんで私こんなところにいるんだろ? 疑問に思うと同時に、鈍い頭が回転し出し、その答えを弾き出す。 ああ、これ夢か。 明晰夢──夢であることが明白な夢。 動かせる身体は存在しなくて、はっきりとした意識の中で、数人ではしゃぐ子どもたちの声を遠くに聞いた。 やがてその声とともに、景色が遠くなっていき──目が覚めた。 軽く揺さぶられる感覚に次いで、可愛らしい声で私の名が呼ばれた。 「……ア。ミュア!」 この声は……。 「リナリー…?」 まだ寝ぼけているのか、判然としない瞳で声の主を見上げる。 「おはよう、ミュア。朝方に起こしてゴメンね。でも、ミュアの武器が出来たから早く見せたくって」 「……え? 私の対アクマ武器、もう出来たの」 仕事早いな~コムイさん&科学班の人たち。 寝ぼけ眼をこする私はリナリーに手を引かれて、司令室へやってくる。 司令室、そこは無造作に積み上げられた本と書類の束の山だった。 「わー、スゴイ…」 色んな意味で。
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