第3楽章~これが私のイノセンス~

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ミュアは食堂へ。 リナリーが資料室へと向かい、司令室にはコムイとリーバー班長だけが残された。 「しっかし室長。これまた随分ミュアの対アクマ武器に力入れてましたね」 「…………」 それとなく話し掛けたリーバーに、真剣な眼差しで粗末な手紙にコムイは視線を落とす。 「……ボクはただ、戦場に送り出すのに十分な装備をさせたかっただけだよ」 銀のゴーレム──ドルチェの映像によると、ミュアは普通の女の子として生活をしていた。 今まで殴り合いどころか喧嘩ひとつしたことの無かった少女が、訓練も無しにいきなり命のやり取りをする戦場で戦えるわけがない。 「全く……これまで教科書とにらめっこしてたような女の子を闘わせるなんて」 あの人も、中々酷な事をしてくれる。 コムイが目を通していた手紙、それはクロス・マリアンからのものだった。 アレンというガキを送るという内容だったが、追伸が書かれていたのだ。 『P.S. もしもアレンと他の誰かが一緒に来たら、ソイツとパートナーにして二人組のチームを組ませて戦わせろ』 ここに書かれていた通りにしたが…… 「ボクにはこの選択が正しいのか、間違っているのか分からないよ」 1人残された司令室で、コムイは感慨深い溜め息をついた。
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