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「神田! アレン! あとミュア!」
「?」
ゴズさんを長椅子に横たわらせていた私は声が掛けられた方向を向く。
見れば、リーバーさんが大量の本を抱えながらこちらに片手をメガホンにして言う。
「10分でメシ食って司令室に来てくれ。任務だ」
「マジかぁ……」
わぁ、もう初任務が…! 緊張する…。
しかし10分か…ご飯食べ切れるギリギリの時間だな。大急ぎで食べよう。
☆
シーザーサラダ、フレンチトーストをコーンスープで流し込み、ストロベリーサンデーをかっこんだ私はアレンとともにさっきも来た司令室へ。
「ぐー……」
さっきまでピンピンしていたコムイさんが両手をバンザイし、机に突っ伏して寝ていた。
「室長! コムイ室長!」
ゆさゆさ。
リーバーさんは肩を揺らしたり、割と威力がこもったパンチを浴びせたりするが、全く起きる気配が無い。
どうするんだろ…と思っていたら。
リーバーさんはコムイさんの耳許に唇を寄せて、ボソッと呟いた。
「リナリーちゃんが結婚するってさー」
「リナリィィー!!!」
そんなんで起きるわけが…って、え~?
予想に反してコムイさんはガバッと瞬時に上体を起こして叫んだ。
「お兄ちゃんに黙って結婚だなんてヒドイよぉー!!!」
「「「…………」」」
シーンと半ばあきれ気味の沈黙に包まれた現場にリーバーさんが一言。
「悪いな。このネタでしか起きねェんだこの人」
☆
アレン、私、神田の並びでソファーに腰掛けた私たち。
「いやーごめんね。徹夜明けだったもんでね」
「オレもっスけど!」
はははとごまかし笑いをするコムイさんにリーバーさんの手厳しいツッコミが飛ぶ。
「さて、時間が無いので粗筋を聞いたらすぐ出発して。詳しい内容は資料を行きながら読むように」
「「!」」
リナリーから配布された黒いファイルを手にしたところで、神田とアレンがハッと視線を交錯させる。
ちょ、私を間にはさんで睨み合いすんなし。
「3人トリオで行ってもらうよ」
コムイさんのセリフにゲ、と言いたげな顔をしたアレンと神田。
「え。何ナニ? もう仲悪くなったのキミら?」
でも、とコムイさんは文句言いたげな2人を制する。
「ワガママは聞かないよ。南イタリアで発見されたイノセンスがアクマに奪われるかもしれない。早急に敵を破壊し、イノセンスを保護してくれ」
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