第4楽章~初任務~

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黒の教団内・地下水路にて。 隣でバサッとコートを羽織るアレンを見つめ、『アレン可愛いアレン可愛い』と内心で真顔のまま連呼する。 「ちょっと大きいね」 「これ、着なきゃいけないんですか?」 「エクソシストの証みたいなものでね。戦闘用に作ってあるからかなり丈夫だよ。あと左手の防具はボク的に改良してみました」 「アレン、似合ってるよ!」 ニコッと笑顔を向けて言えば、アレンはちょっと視線を下に移して、 「あ、ありがとうございます。ミュアも似合ってますよ」 と女子的には嬉しい返答をくれた。 頬を緩ませて、エヘヘと照れ笑いをする。 もぞもぞ…。ピョコ! 直後、左手の袖口から、ティムキャンピーとドルチェが飛び出て来た。 「ティムキャンピー! それにドルチェも! どこ行ってたんだお前たち」 ごめんドルチェ。アンタの事すっかり忘れてたわ。ちらりとも掠らなかった。 謝罪の念を込めて頭を撫でると、パタパタと嬉しそうに銀翼を羽ばたかせた。 「……お前ら、『デュエット』組んでるんだってな」 「!」 信じがたい事に、あの神田が私に声を掛けてきた。 一応、頷いておく。 「チッ。ならお前ら2人で行けばいいじゃねェかよ」 滲み出るイラつきを隠しもしない神田。 何が言いたいんだこの人。 アレンがムッとしたところで、コムイさんが神田を宥める。 「分かってないなぁ、神田くんは。アレンくんもミュアちゃんも新人だよ~? いきなり戦場に送り出すのは忍びないじゃないか。そこで先輩であるキミの出番というワケさ」 少々おちゃらけて振る舞うコムイさんに上手く丸め込まれた神田。 そのまま無言になる彼。 ボートに乗り込むと、笑顔と共にコムイさんが親指を立ててサムズアップ。 「行ってらっしゃい」 「行ってきます」 「行ってきます…っ!」 漕ぎ出したボートの上から、私だけ若干声を裏返させつつ、挨拶を交わし合った。
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