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  ふふ、と兄嫁は笑う。 「あの人、いつもは無口、無表情のくせして 貴子ちゃんのことになると、途端に見境がなくなる。 全く、困った人よね・・・」 「・・・迷惑をおかけして・・・」 そんな事、と兄嫁は遮り、深く溜息をつく。 「それより、寝るところはあるの? ちゃんと食べられている? お金は大丈夫?1人で困ってないの??」 兄嫁の優しい言葉に貴子の涙腺は緩む。 「・・・は・・ぃ・・・」 そう、と兄嫁は答えて まるで子どもを宥める時のように優しく語り掛ける。 「困ったり、寂しくなったら、帰ってらっしゃい。 大事になるのが嫌なら、 私が皆に上手く話してあげる。」
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