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苦々しい淳の表情が近づいてきて
あの日の出来事がフラッシュバックのように
鮮明に貴子の頭に浮かび上がる。
貴子は咄嗟に逃げ出した。
突然駆け出した貴子に驚いて、腕を掴む淳。
「待て!」
イヤッ、と貴子はそれを必死に振り解こうと
もがくと、淳は更にキツク貴子の腕を掴んだ。
「とにかく聞けってっ!!!」
痛みに声を上げた貴子に淳は慌てて腕を離した。
「・・・悪い・・・」
貴子は思わず耳を塞ぎ、ギュッと目を閉じた。
『・・・キキタクナイ、キキタクナイ、・・・』
本当の事なんてもう知りたくない。
これ以上・・・、耐えられない。
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