お別れですよ、魔王さま

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「魔力流出?何それ?」 僧侶「……人間で言う老衰だ。身体は老いにくい魔族でも魔力流出が始まれば肉体は徐々に老いていき、魔力が無くなったら死ぬ。魔力しか持たない人間が魔力により生きながらえてきたのなら、魔力の枯渇により死ぬだろうな」 魔女婆「あんたはスライム族の長だからねぇ。後継どうするかだけが気になっていたが若い娘を嫁に迎えれそうだし問題は……」 執事「……そういう問題ではない!何故……何故もっと早く言わなかった!!そうすれば……!!」 魔女婆「あたしの所に戻って残りの余生を共に過ごしたかい?馬鹿言ってんじゃないよ!あたしらは結婚した時決めた筈だよ!何よりも、『魔王』を守りその力になる為に行動すると!!それはお互いが死に掛けようが優先される事だと!!」 執事「……だが!」 魔女婆「……あたしが先に逝くってのは分かってたじゃないか。あたしの心残りはあたしとあんたに子供が生まれなかった事だけだった。今度は、上手くやるんだよ」 執事「……っ!!」 魔女婆「そんな訳で魔王さま、悪いけど今日は泊めていっておくれ。死にかけの老体にゃ今から帰るのは寿命が縮んじまうからねぇ」 魔王「……分かったわ」
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