767人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱり放っておけないです」
頭の上から落ちて来た言葉に
一気に涙腺が緩む。
「だめだよ桐生…。
今の私は…桐生をとことんまで
傷つけてしまうから」
それでも必死に
絞り出した言葉なのに。
「…お互い様でしょ。
それに…今の葵さんを見てたら
俺まで壊れそうだから。
どうせ壊れるなら
一緒に壊れてあげる」
立ち止まったままの私と桐生を
怪訝な顔でチラ見しながら
通り過ぎて行く人の波。
最初のコメントを投稿しよう!