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辿り着いた私の家の前。
桐生に打ち明けようか
悩んで沈黙する私を
じっと見つめる桐生の瞳。
「話して楽になりなよ」
囁かれた言葉にまた戸惑う。
無言で俯いた私を桐生は
優しく包み込んだ。
「言ったでしょう。
俺は葵さんを守るって…」
…ズルい…この温もりは
どうしてこんなにズルいんだろう。
「…桐生…私ね…」
「うん…」
「月島さんが…」
「うん…」
彼が好きだった…。
そう言おうとした瞬間、
坂の上から声が聞こえた。
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