20.エンドロールはまだ流れない

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…言った。 ついに言ってしまった。 ついに、この気持ちを、彼に伝えてしまった。 その自覚が追いつくと、さっきまでそうでもなかったのに、途端に緊張が募り心臓がバクついてきた。 しんと静まりかえる部屋の中で、もう俺には自分の心音しか聞こえない。 早瀬さんは目を軽く見開いたまま、俺を凝視している。 どれくらい沈黙が続いただろうか。 さすがに俺も気まずく感じ始め、頬が熱くなりだした頃。 早瀬さんがおもむろに唇を開いた。 「…お前が、俺を、好き?」 「は、はい」 「それは、告白、というやつか…?」 「…そうですね、いわゆる愛の告白、ってやつですね」 「愛…」 そう答える俺ももうやけくそに近い(なんかが振り切れたんだろう、多分) 対する早瀬さんは、何やら神妙な顔で考え込んでいる。 彼にしてみればあまりに突然の話で、困惑しても無理はない。理解が追いつかないのだろう。戸惑わせてしまったことは申し訳なく思うが、それでも一度出た言葉は戻らない。 「困らせてしまってすみません。でも、知っておいて欲しかったんです」 あなたに。俺の気持ちを。 「…良ければ、あなたの気持ちも聞かせてくれませんか」 正直に思っていることを伝える。今更隠し立てすることは何もない。 そう覚悟を決め、早瀬さんの反応を待つ。
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