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そう、それこそどんな言葉が返ってこようとも、受け入れる覚悟があった。
どんな結果になろうとも、この気持ちを伝えたことを後悔することだけはしたくない。
そのための覚悟が。
しかし。
異世界人早瀬さまの返答は、そんな俺の覚悟すら…容易に飛び越えた。
「…わかった。なら、俺はお前とつきあおう」
キリリッとこの目の前のイケメンはそう言ってのけた。
「…………へ?」
たっぷり間を置いて俺が返せたのは、こんな間抜けな意味のない音だ。
それでも早瀬さんは俺のことをまっすぐ見据えている。
俺もつられて彼のことを凝視してしまう。
…それにしてもやはりイケメンだな。
このギラリと鋭く光る眼光。
そう、まるで射抜くような、挑むようなこの鋭さ。三角定規で例えるなら、鋭角に相当する鋭さ。ああ、そうだな、今三角定規に例える必要性はどこにもなかった。ただ俺がお伝えしたいのは、ともかくとても告白の返事をする時の雰囲気じゃないってことだ。むしろ、果たし合いを受けて立つ!って場面の方がお似合いな…
あれ、俺今果たし合い申し込んだんだっけ?
「おい相良、聞いてるのか」
そう言って首を傾げる彼は、ああ、やっぱり可愛い。俺の胸もときめく。のだが。
「…スミマセン、もう一回言ってもらっていいデスカ」
「お前とつきあう」
「わーお」
聞き間違いじゃなかった!幻聴でもなかった!
いや、だが、しかし。
この人の口からそんな言葉が出るはずない…そう思って、
「ど、どこに?」
「はぁ?」
一番ありうるボケをかましてみたが、それも怪訝そうな顔に一蹴される。
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