20.エンドロールはまだ流れない

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予想GUYの彼からの提案に頭の整理が追いつかず四苦八苦していると、早瀬さんが少し不機嫌な声音でこう言った。 「…告白の後はコイビトとしてつきあうんだろ。お前が前にそう言ったんだぞ」 ちゃら恋の展開を決める時に、と早瀬さんが唇を尖らせる。 「い、言ったかもしれませんが、」 それとこれはまた別っていうか! ていうかこの人、絶対なんか色々よくわかってないよね!絶対話噛み合ってないよ! なお食い下がる俺に、早瀬さんはさらに不機嫌を色濃くする。 「なんだ、じゃあ何が不満なんだ」 「不満とかじゃなく…」 「嫌なのか」 「イヤとかでもなくてですね、」 不満なわけがない、嫌なわけがない。 そんなんじゃない。 ただ、いろいろちょっとおかしいだろ、と思うのであって… とか、俺がつらつら考えながら言葉を探していたわずかな間の後に。 早瀬さんが声のトーンを落として、不安げにこちらを見上げてきた。 「…お前は、俺とつきあいたくないのか?」 ……その聞き方はズルくないか!? 「付き合いたいですよ!!」 つい馬鹿正直に即答してしまう。 言ってからしまったと思ってももう遅いのだ。 今まで慎重に事を運ぼうとしていたのに、おかげさまで台無しである。 「なら決まりだな」 一方の早瀬さんは、何故かどこかやりきった感をにおわせながら頷いた。
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