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すると、早瀬さんは一瞬少し目を見開いたあと、ハッと我に返ったように顔を背けた。
「…ニヤニヤするな気持ち悪い」
「気持ち悪いって!何が気持ち悪いんですか!」
「顔が気持ち悪い」
「ひどっ」
さっさと一人立ち上がって背を向ける早瀬さんを、慌てて追いかける。
後ろからのぞく赤い耳に、また頬を緩ませて。
二人の歩幅を合わせて、呼吸を読み合って。
少しずつ歩いて、ここまで来たんだ。
これからも少しずつ、前に進んでいけたらそれでいい。
…前途多難?
いや、前途洋々だ。
エンドロールは、まだ流れない。
end…?
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