価値観と価格

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俺はブランド物を選ぶ人間はあんまり好きじゃない。何で高価なのか分からない。品質や作りは似ている物がいくつもある。なのにそのロゴをつけるだけでカバンで数万も金額が変わるなんて。更に言えばそれを進んで買おうとする人間はもっと分からない。 今まで俺は彼女との付き合いでもブランドでプレゼントはしたことは無いし、彼女も満足しているようだ。おかげで3年も一緒にいる。中学のときの幼馴染でお互いをよく理解しているし、俺は彼女と一生に一緒にいる決断をしている。 今度の祝日連休でその申し込みをする手筈を整えている。 ただ唯一準備できてないのが…指輪。 今回ばかりはブランド嫌いなんて言っていることが出来ないんだ。彼女はジュエリーショップで働いている。だから…この手のものの価値相場はすぐに見抜ける。 『最近は結婚指輪を買わない人も増えているなんて信じられないよね~。だって一生一緒ににいてくださいって言う人に何も渡さないなんてさ~。それくらいしっかりしないと。』 いつ言ったかは覚えていないが、彼女が以前言っていたことが今頃になって脳から蘇っているし、今回だけは高価な品に手を伸ばそう。
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