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「え?だって“エレウス王国”じゃあ常識さ。なんたってこのへん一帯は、王国の領土さ。王国には黒髪なんて、“七大貴族”の“ファントム家”か、“闇属性持ち”さ。ましてや、闇属性持ちなんて滅多にいないし、目まで黒いなんてさ、いないいない。僕は商人柄、王国、“帝国”、“皇国”と色々見てきてるけど、君みたいのは初めてだよ。ほんと何処から来たんだい?」
……。
なんだ?
エレウス王国……だと?
そんなとこ地球上に存在したか?
ましてや、闇属性、七大貴族だぁ?
何処のファンタジー小説だっつうの。
頭沸いてんのかこいつ?
いやでも待て、俺は、確かにここでの異変に気づいていた。
桃リンゴにしてもそうだ、あんな果物見たことない。
また、気付かないようにしてたが実は気付いていたりするだが、
携帯を石にぶつけた時のことだ。
あの時八つ当たりのように投げては見たが、あれだけで携帯がスクラップになるのだろうか。
いやならないだろう。以外と携帯も見かけによらず頑丈で彼処まで壊れることはなかったはずだ。
それこそ小説みたいに身体能力が上がっているのではなかろうか?
俺は今更ではあるが小説を読むのが好きだ。特に非現実的な小説所謂ファンタジー小説だ。日頃溜まったもの吐き出すかのように、魔法や超能力を使ってみたいと読み漁っていた。
その中でも王道なのが主人公が異世界になんらかの形で行く話。
俺はそれがとてつもなく魅力的でつぼにはまり、暇を見ては愛読した。
だからわかる。今の現状は計り知れなくあり得ないもので非現実的なことだと。
夢にまで見た、主人公が異世界で奮闘するそんな毎日を描いたあの物語たちを……。
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