完敗

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「ええ…家に帰ってもやる事ないんで テンプレートの修正をしようかと」 苦笑いしながら答えた俺を 袴田さんはじっと見つめる。 「…何かあったんだろ?」 その言葉で俺から離れて行った 葵さんの背中を思い出して 一気に瞳を揺らしてしまった。 それに目ざとく気付いたのか 袴田さんは俺の肩をポンと叩く。 「ちょっとコーヒーでも行こうか」 ニコリと笑って言ってくれた 袴田さんの好意を断る事なんて 出来なかった。 この人は多分… 全部気づいている。 そんな気がしたから。
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