完敗

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月明かりの下。 葵さんを抱きしめながら思う。 これで月島を崩せなかったら もう俺に手札はない。 「じゃあ…何故葵さんを 監視するかのように 常にベッタリなんです? それは葵さんを 信用していないからでしょう?」 けれどその質問に月島は 静かに首を振った。 それもどこか哀愁を 見せたような瞳で。 「彼女から目を離さないのは 僕の立場上、葵を邪魔者扱いする 人間が周りにひしめいているからで 全ては葵を守るための事です」 「…………」
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