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「…お袋が…自殺したそうです」
そう言った桐生は
また視線をゆっくり動かし
天井のシーリングファンを
ぼんやりと見つめた。
「…じゃあ…
すぐに会いに行ってあげなきゃ」
ポツリと呟いた私にゆっくりと
戻って来た桐生の瞳は
あの氷の瞳へと戻って行く。
「行く必要ないですから」
「どうして?
お母さんでしょう?」
聞き返した私をじっと見つめたまま
何も答えようとしない桐生に
澤木さんも疑問を投げ掛けた。
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