母性

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「…あの…どちら様ですか?」 私の質問にその女性は 私を無視して部屋に上がり込んで行く。 「ちょっと智樹! …って…え…?」 さすがにお母さんの御遺体と 立ち昇るお線香にその女性は固まった。 「…智樹のお母さん?」 その女性の質問に桐生はコクリと頷く。 「そっか…ゴメン。 あ、申し訳ありませんでしたね。 私、智樹の友人の彩音って言います」 急に申し訳なさそうに 私に頭を下げた彩音さんに 私も慌てて頭を下げる。
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