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私の両親だって、きっと
愛するがゆえに許せないだけで
決して私を嫌いになった訳じゃないと
信じたい…。
揺れていた私の瞳に気付いたのか
桐生は出来上がったいなり寿司を
私の口元に持って来て。
「はい、口開けて」
「え?い…いいよ」
「いいから。食べて」
譲らない桐生にしぶしぶ口を開けて
半分ほどのいなり寿司にかぶりつく。
「美味しい?」
もぐもぐと口を動かしながら
頷くと、ニコリと笑った桐生は
残りの半分を自分の口に放り込んだ。
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