母性

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「袴田、今から全員のパソコンを 全部調べて。 このウイルスコードがある ファイルを検索かけてくれ」 「…あ…ああ…分かった」 慌てて立ち上がった袴田さんは 一番最初に桐生のパソコンの 電源を入れて検索を始める。 その姿を悲しそうに見つめていた 月島さんはゆっくりと視線を戻すと 穏やかな表情で語り始めた。 「それから… 皆さんにはここまで本当に 頑張って頂きましたが… 優秀な皆さんなら言わずとも 分かっていらっしゃると思います。 Spec Solutionsの 開発プロジェクトは… 失敗という事になります」 その言葉は私の胸を 痛烈に貫いた。
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