母性

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エレベーターの前。 壁にもたれかかって 天井を見上げている 月島さんの姿に胸がぎゅっと痛み出す。 歩み寄る私の姿に 気付いた月島さんは フッと弱々しい笑みを見せた。 「ごめんね、葵…。 こんな事になってしまうなんて 僕も予想してなかった…。 それだけ僕が 甘かったって事なんだけど」 「…紫門…」 「プロジェクトは失敗だし 僕はCEOを降りる事になると思う。 冗談抜きで… 地球の裏側に飛ばされるかも。 もしそうなったら葵は… …僕と一緒に来てくれる?」 投げつけられた言葉に 胸がドクンと大きく波打った…。 「…なんて…冗談。 葵の気持ちは桐生君に あるってちゃんと分かってるから。 今は彼も大変だと思うし… 葵がちゃんと支えてあげて」 優しく微笑んだ彼は 私の頭にポンポンと手を置く。
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