なにかひとつだけでもあれば……

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硬い地面にうずくまって、涙の水溜まりに額を擦り付けて、唇を噛む。 あなたに愛して貰えないことが、何より悲しくて、悔しくて。 なにも持っていないことが、何より恥ずかしくて、恨みがましい。 ただ、あなたに愛して欲しいだけ。 ただ、あなたに笑顔でいて欲しいだけ。 ただ、あなたに幸せを感じて欲しいだけ。 ただ、あなたが誇れる人になりたいだけ。 そうありたい、のに。 悲しくて、悔しくて、恥ずかしくて、恨みがましい想いは、いつの間にか濁って、汚くて、臭くなる。 神様を、恨もうとする。 そんなぼくに、あなたは言った。 きっと、あなたが私の前に現れたとき、その時もきっとあなたは、泣いているんでしょうね。 その声は、優しくて、暖かい。 泣いてばかりのぼくを、ぼくの知らない光で照らす。 きたなく汚れたぼくの想いを、気持ちを、心を……洗い流すように。
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