第1章

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私は一度拒絶した、あるべき流れを。 きっかけは些細な事で、他人からしてみれば気にも留めない事かもしれない。 だが私はそれを理由に拒絶した、果たすべき使命から逃げ出したのだ。 それでも、現実や来るべき日からは逃げる事なんて出来なかった。 だから私は欺いた、家族を、友人を、周りを、そして自分さえも。 誰も自分と言う存在を気に留める事もない、ただの路肩の石だと自分に言い聞かせ自分を殺した。 誰だって息を潜めて願う時はある。 どうか自分でありませんように―――他の誰かでありますように―――呆れかえる程に私は願った、自分が傷付くのが怖くて他人を嘲笑った…。 それを私は今でも恥じている、そして同時に仕方がなかったと自分に言い聞かせ続けているのだ。 甚だおかしいもので…矛盾だらけなのにそれが当たり前でで…ごく当然のように思い始めてる。 それが…私は悔しくもあり、納得してしまう。
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