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彼は私を何時も鬱陶しい虫でも見るような目で見ていた。
表面上では聞こえの良い言葉を並べ立て、さも助けようとしているように見せていた。
だけど言葉の端に本心は何時も出ていた。
居なくなれ、厄介事を持ってくるな、お前の所為で俺の評価が落ちるだろうが、言わなくても分かる、私はあなたの足を引っ張っている。
だけど子供が生まれる場所を選べないのと同じで一度弾き出されたものがもう一度戻る事は出来ないのだ。
それでも彼は私を無理に押し込んだ、弾き出す力がある方向へと。
そして私は―――潰れた、大人の勝手な理由で、理不尽な理由で、理解不能な理由で、いとも簡単に。
それからは早かった、石が坂を転がり落ちるように…何もしていなくとも落ちていくばかりだった。
そして私は覚えた、誰も信用してはならない事を、最低辺にいるからこそ分かった、他人がどれだけ薄汚く誰かを蹴落として居るのかを。
そして学んだ、最低辺だからこそ同類が居る
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