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「桐生さん、何て言ってました？」
熱くなって行く目頭を
必死に堪えながら
澤木さんに視線を向けた私の瞳で
彼女もそれを悟ったように呟いた。
「…否定しなかったんですね」
コクンと頷いた私を見て
澤木さんもその場に
しゃがみ込んでしまった。
「…なんで？
なんで桐生さんがこんな事を…？」
「でも…桐生は、
自分がやったとは言ってないよ」
「じゃあなんで否定しないのよ」
「…それは…」
私だってそんなの分からない。
けれど…
澤木さんの言うように
やっていないのなら
否定して欲しかったのに。
どうして…？
ねぇ、桐生…。
どうして何も言ってくれないの？
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