737人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
3回ほど鳴った呼び出し音が
途切れた。
けれど電話の相手は
俺の言葉を待っている。
「…桐生です」
『そろそろ連絡が
来るのではないかと
思っていましたよ』
落ち着いた声で返って来た
返事に一呼吸置いてから
俺はその言葉をぶつけた。
「今から…会えますか?」
『…1時間後で良ければ』
「では会社の近くまで行きます」
『分かりました、連絡します』
電話を切って深いため息を落とす。
これで…
全てが終わってくれるなら
俺だけが苦しんで終わるなら…。
最初のコメントを投稿しよう!