すれ違う思い

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「…谷原さん大丈夫?」 静かなオフィスのコミュニティスペース。 肩を落としてコーヒーを飲む私に 袴田さんは心配そうに呟く。 全てのパソコンを調べた結果 あのウイルスコードが見つかったのは 桐生のパソコンだけだった。 この状況では桐生が無実だなんて さすがに言えない…。 俯く私に袴田さんは 小さくため息を吐くと 全てのパソコンをシャットダウンした。 「今日はもう帰ろうか。 この件は明日、月島に報告…」 「その必要はないよ、袴田」 袴田さんの言葉を遮って オフィスに現れたのは 月島さんだった。
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