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そう思いながらペコリと頭を下げて
その場を去ろうとした俺を
またそのおっさんが呼び止めた。
「芳美ちゃん、入院したのかい?」
「はい?」
振り返った俺にその人は
心配そうな顔で呟く。
「癌だってねぇ。
金が掛かるから入院しないなんて
言ってたけど、息子さんが
面倒みてくれるなら良かった。
芳美ちゃん言ってたからさ。
息子には迷惑掛けれないなんて」
その言葉に…
また心が大きく揺れた…。
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