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「結城さん…あの…」
「葵は初めて女の喜びを
知る事が出来たんだと思う。
それを与えてやれるのは
月島さんしかいないんだ。
だから…葵が心も躰も
満たされるパートナーは…
あの人しか…」
そこまで言って小さく肩を
揺らし始めた結城大河に
俺は小さくため息を吐き出した。
「結城さん…頭を上げて下さい」
それでも頭を下げたままの
結城大河は…本当は葵さんを
今でも愛しているんだって事が
痛いくらい伝わって来る。
葵さんを愛していても…
父親のいない子供を作らないために
その責任を貫こうと、この人なりに
必死だったのかも知れない。
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