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「それに…
俺の浮気が原因で離婚したって事を
葵は親父さんに一言も言ってなくて…
たぶん反対を押し切って結婚したのに
他の女に奪われたなんて
葵は言えなかったんだと思う。
何気に、葵もプライド高いからさ。
だけど葵の親父さん、
もう先が長くないんだ。
だから…
葵と親父さんを会わせてやったら
俺はまた葵の前から消えようって
本当はそう思ってた。
でも桐生君にしろ、月島さんにしろ…
二人もの男に愛されてる葵を見たら
急に惜しくなったって言うか…
ちょっと邪魔してやりたくなった」
夜空から視線を戻した
結城さんはじっと俺の瞳を見据えて
その言葉を吐き出した。
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