734人が本棚に入れています
本棚に追加
「袴田さんのやった事は
確かに酷いとは思います。
俺のお袋を追い詰めた事は
決して許される事ではない。
だけど…
最終的に死を選んだのは
お袋であって、袴田さんは
俺のお袋に死ねなんて
一言も言ってない。
ただ、俺と共にここから
どこか遠くの地にでも
引っ越してくれと
言っただけなんです。
最初にその文書を見た時は
頭に血が登って…
俺も冷静に考えられなかった。
だけど今、こうして葵さんが
俺の隣にいてくれるから
冷静に物事を考えられるように
なりました。
葵さん、ありがとう」
ニコリと微笑んで
オフィスに入って行く
桐生の背中を見つめながら
やはり揺れてしまう私の瞳。
最初のコメントを投稿しよう!