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そんなある日の深夜――。
部屋に置いてあった探知装置が反応し、アラームを鳴らした。
眠っていたガニガニ・9・ボーテは飛び起きた。眠っているときもスーツを着ている(!)宇宙人は、部屋の隅でインジケータを点滅させている探知装置のアラームを止めると、そいつを小脇に抱えて自室を出た。
リビングから玄関に出て行こうとすると、
「どうかしたんですか?」
隣の部屋から出てきたルケルケ・7・トーに呼び止められた。こちらはちゃんとパジャマを着ている。
「ターゲットが動き出した。追跡する」
「ターゲット?」
「前にちらっと話したろ。401号室の万法院さんだ」
「先輩の勘違いですよ。魔法使いなんか、この世にいません」
宇宙人なのに至極まともな認識だった。
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