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「図書館でたくさん読んだぞ。あんなに書物に書かれていて、実在しないなどということがあるはずがない」
「いや、それは……」
「おまえも来い」
「いえ、徒労に終わりそうなので眠ります。明日も仕事がありますし」
やはり至極まともな認識だった。
「明日も仕事って、おまえの本来の仕事はこっちだろうが! ええい、わかった。おれだけで調べてくる」
ガニガニ・9・ボーテは大股で玄関を出ていった。
通路に出て、持ち出した探知装置の反応を見る。
――屋上か!
ガニガニ・9・ボーテはジャンプした。5階の通路に達し、もう一度ジャンプ、屋上に至った。
満月が天頂から照らしていた。
美しい月夜である。
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