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ガニガニ・9・ボーテは、吸い寄せられるようにして近づくと、
「万法院さん、これはいったい……?」
妖子は微笑んだ。月の光に照らされた顔が怪しく映る。
「月がきれいな夜は、ここで踊るんですよ。豊臣さんもいっしょに踊りませんか?」
「いや、その、なんでこんなところで? それにこの人たちは……? いや、待てよ。本で読んだぞ。魔女は月の夜に集会を開くと」
「よく知ってますね。このこびとたちは、このマンションの地下に住んでいる妖精さんたちです」
「おお、なんと!」
魔法の本ばかり読んでいたガニガニ・9・ボーテは、妖精の存在も知っていた。
「ときどき、満月がきれいな夜はこうして集まって踊るんです。もちろん、娘はまだこどもだから参加せずに寝てますけど」
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