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「そうだったんですか。やはり万法院さん親子は魔法使いだったんだ。そして、マンションの地下には妖精が住んでいた……」
新発見だった。これまで人間だけに対象をしぼって調査していたから、妖精の存在までは知れなかったのだ。
地球人の一般的常識を持たないガニガニ・9・ボーテは、先入観なく、見えている事実を事実として捉えていた。
「はい」
ニコニコと受け答えする妖子。魔法使いであるのが秘密だとは思えない態度だった。
「さあ、どうぞ」
妖子に手をとられて、図らずも踊りの輪に入るガニガニ・9・ボーテ。
それは奇妙な光景だった。魔法使いと妖精たちと、見様見真似で踊る宇宙人。そして、見たことのない楽器を演奏する妖精たち。
音楽に合わせて、リズミカルに体を動かす。
なんだかわからなかったが、楽しくなってきた。
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