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しかし、調査は思いのほか難航していた。住人の生活を見るにつけ、なんとも多種多様なライフスタイルが明らかになっていった。どうやらこのマンションには普通でない住民がいるぞ、とガニガニ・9・ボーテは気づいた。予想外に手強い仕事だ。
ルケルケ・7・トーの報告が遅れるのも無理はないと最近は思うようになって、ここは自分が頑張らねば、と決意新たに思うのだった。
朝っぱらからベランダに出て、双眼鏡で町の様子を見つつ、なにか変化はないか、と見るガニガニ・9・ボーテ。町の様子の変化を見るのも重要な調査項目のひとつだった。
すると――。
「あら、たいへん!」
という声が聞こえてきた。
その声は、ふたつ隣の401号室に住むシングルマザー、万法院妖子だとわかった。真穂という小学生のひとり娘がいた。
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